はじめに
補助金が採択されると、ひとまず安心したくなります。
しかし、補助金は、採択された時点で自由に使えるお金ではありません。
多くの場合、採択後には、交付申請、契約・発注、納品、支払、実績報告、証憑整理、効果報告などの手続が続きます。
ドローン導入に補助金を活用する場合も同じです。
採択された後に、いつ発注してよいのか、どの書類を残すべきか、実績報告で何を説明するのか、取得した機体をどのように管理するのかを確認しておく必要があります。
この記事では、補助金が採択された後に詰まりやすい、交付申請・実績報告・効果報告の基本的な注意点を整理します。
ドローン導入に関する補助金活用や、採択後・導入後の手続整理については、次の固定ページでも整理しています。
▶ ドローン導入補助金・取得後支援
補助金は、採択された時点で終わりではありません
補助金の申請では、採択されるかどうかに意識が向きやすくなります。
もちろん、採択は重要です。
ただし、採択は補助事業の入口であり、手続の完了ではありません。
採択後には、制度ごとのルールに従って、交付申請や交付決定、契約・発注、納品、支払、実績報告などを進める必要があります。
制度によっては、交付決定前に契約や発注をしてはいけない場合もあります。
また、見積書、契約書、発注書、納品書、請求書、振込記録、写真、成果物、事業実施の記録など、後から確認できる資料を整理しておく必要があります。
補助金は「採択されたから終わり」ではなく、「採択後に正しく事業を進め、報告できる状態にすること」まで含めて考える必要があります。
交付申請で詰まりやすい点
採択後に最初に確認が必要になるのが、交付申請です。
交付申請では、採択された内容をもとに、実際に補助事業として進める経費や内容を確認します。
ここで詰まりやすいのは、申請時の計画と、実際に購入・導入しようとしている内容がずれている場合です。
たとえば、ドローン本体だけを考えていたが、実際にはバッテリー、付属品、解析ソフト、講習、保守なども必要になる場合があります。
反対に、見積に含まれているものの中に、補助対象として扱えるか確認が必要なものが含まれている場合もあります。
また、交付決定前の契約・発注が認められるかどうかは、制度ごとに確認が必要です。
ここを曖昧にしたまま進めると、後で対象経費として認められない、手続の順番を説明しにくい、という問題が起きることがあります。
採択後は、まず「何を、いつ、どの順番で進めてよいのか」を確認しておくことが重要です。
実績報告で詰まりやすい点
補助事業を実施した後には、実績報告が必要になることがあります。
実績報告では、計画どおりに補助事業を実施したか、実際に対象経費を支払ったか、事業の内容を確認できる資料があるかを整理します。
この段階でよく問題になりやすいのは、証憑がそろっていないことです。
たとえば、次のような点で詰まりやすくなります。
- 契約・発注・納品・請求・支払の流れが確認できない
- 見積内容と実際の納品内容の関係が分かりにくい
- 写真や使用状況の記録が不足している
- 申請時の導入目的と、実際の使用方法のつながりを説明しにくい
ドローンの場合、機体を購入したことだけでなく、その機体をどのように事業に使うのかが重要になります。
現場での活用予定、導入後の管理者、使用場所、記録方法などが曖昧なままだと、実績報告や後日の確認で説明に困ることがあります。
実績報告は、単なる書類提出ではありません。
補助金を使って導入した内容を、後から確認できる形に整える手続でもあります。
効果報告で詰まりやすい点
補助金制度によっては、補助事業が終わった後も、一定期間、効果報告や事業化状況報告が必要になる場合があります。
効果報告では、補助金を使って導入した設備や取組が、どのように事業に活用されているかを整理することがあります。
ドローン導入であれば、導入後にどの業務で使っているのか、どのような効率化や業務改善につながっているのか、継続して活用できているのかが確認対象になる場合があります。
ここで詰まりやすいのは、導入後の使用状況を記録していない場合です。
申請書では「このように活用する」と書いていても、実際の運用記録や使用状況が残っていなければ、後から説明しにくくなります。
導入後に実際にどの現場で使ったのか、どの業務が効率化されたのか、どのような記録を残しているのか。
このような情報を整理しておくことが、後日の説明につながります。
ドローンは、導入しただけでは効果が出ません。
現場で使い、必要な記録を残し、会社として活用状況を説明できる状態にしておくことが重要です。
取得財産の管理にも注意が必要です
補助金でドローンや関連設備を取得した場合、取得財産としての管理が必要になることがあります。
取得価格、保管場所、使用状況、管理担当者、処分制限の有無などを確認しておく必要があります。
一定期間内に、売却、譲渡、廃棄、目的外使用などを行う場合には、制度上の手続が必要になることもあります。
補助金で取得した機体は、通常の備品管理とは異なる注意が必要になる場合があります。
そのため、導入した時点で、どこに保管するのか、誰が管理するのか、どのように使用状況を確認するのかを整理しておくと、後の確認に対応しやすくなります。
ドローンの場合は、補助金手続と運用手続がつながります
ドローン導入では、補助金の手続だけを見ていればよいわけではありません。
導入後には、機体登録、DIPS、飛行許可・承認、飛行計画、飛行日誌、現場ごとの飛行条件、関係機関への確認などが関係する場合があります。
補助金で導入したドローンを、実際に現場で使うのであれば、補助金の報告と、ドローンの運用記録が別々に存在するだけでは不十分です。
申請書上の導入目的、実際の現場での使い方、飛行に関する記録、社内の管理体制がつながっていることが重要です。
つまり、補助金の採択後手続は、ドローンの導入後運用と切り離して考えにくい部分があります。
補助金の採択後手続と、ドローンの導入後運用をあわせて整理したい場合は、次のページも参考にしてください。
▶ ドローン導入補助金・取得後支援
採択後に慌てないために、事前に整理しておきたいこと
補助金が採択された後に慌てないためには、申請前から採択後の流れを見通しておくことが重要です。
特に、次の点は早めに確認しておくと、後の手続が進めやすくなります。
- 交付申請前に契約・発注してよいか
- 見積内容と対象経費の関係が整理できているか
- 納品・支払・写真・証憑をどのように残すか
- 導入後の使用状況や効果を説明できるか
- 取得した機体や設備を誰が管理するか
補助金は、申請時点だけで完結するものではありません。
採択後に、何を、どの順番で、どの資料を残しながら進めるのかを確認しておくことが大切です。
まとめ
補助金は、採択されて終わりではありません。
採択後には、交付申請、契約・発注、納品、支払、実績報告、証憑整理、効果報告、取得財産管理などの確認が続く場合があります。
ドローン導入の場合は、さらに、機体登録、DIPS、飛行許可・承認、飛行日誌、現場での使用状況、社内管理体制ともつながります。
採択後に慌てないためには、申請前から、導入目的、見積内容、対象経費、証憑、取得財産管理、導入後の運用まで見通しておくことが重要です。
補助金を使ってドローンを導入する場合は、「採択されるかどうか」だけでなく、「採択後に説明できる状態で進められるか」まで確認しておきましょう。
補助金を活用したドローン導入や、採択後・導入後の手続整理については、次のページで詳しく整理しています。
▶ ドローン導入補助金・取得後支援
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補助金を使う前の段階では、制度の有無だけでなく、導入目的や活用計画を整理しておくことが重要です。
今回の記事で扱った「採択後の手続」を考える前提として、申請前に確認しておきたい論点を整理しています。
▶ ドローン導入に補助金を使う前に確認したいこと|申請前に整理したい導入目的・見積・運用体制
補助金でドローンを導入した後は、交付申請や実績報告だけでなく、機体登録、飛行許可、飛行日誌、取得財産管理まで確認しておく必要があります。
採択後の手続を終えたあと、実際に運用を始める前に整理しておきたい内容を確認できます。
▶ 補助金でドローンを導入した後に必要なこと|登録・飛行許可・記録管理まで整理する実務ポイント
建設業でドローン導入と補助金を考える場合、補助金申請、導入後の運用、法令対応、記録管理を別々に見ないことが大切です。
今回の記事の前提となる「補助金とドローン運用を一体で整理する考え方」を確認したい場合に関連する記事です。
▶ 【建設業者向け】ドローン導入と補助金をどう考えるか――採択・運用・法令対応を一体で整理するために

